4度の挑戦で弁護士に 元G大阪選手が乗り越えた挫折と屈辱

公開日: 更新日:

 01年春。31歳で始めた「二足のわらじ」は想像以上に過酷を極めた。

 大学では経営学部だったため、法律はズブの素人。会社で仕事を終えて自宅に戻ると、連日午前3時過ぎまで机に向かった。起床は朝7時。1日6時間以上の勉強に加え、週3日は夜間の法律専門学校にも“登校”。ほぼ年中無休でこの生活を続けた。

 しかし、司法試験は甘くない。勉強開始から2年間で受けた2度の試験は、いずれも合格ラインにはほど遠い内容で不合格。3次まである試験の1次すら通過できない惨状に頭を抱えた。

■極貧生活でも支え続けた糟糠の妻

「このままでは一生合格できない…」

 そう思った八十さんは03年、思い切って東京での会社勤めを辞め、実家近くの大阪・高槻市のアパートに引っ越した。1日12時間以上を勉強に費やせる環境を作り、自らを追い込んだ。僅かな貯金で妻と3歳の子供を養う不安はあった。それでも、「1年間、この勉強を続ければ今度こそ何とかなるはず」。そう自分に言い聞かせながら、参考書に連日かじりついた。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    新生阿部巨人は早くも道険し…「疑問残る」コーチ人事にOBが痛烈批判

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 4

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 5

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  1. 6

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  2. 7

    維新・藤田共同代表にも「政治とカネ」問題が直撃! 公設秘書への公金2000万円還流疑惑

  3. 8

    35年前の大阪花博の巨大な塔&中国庭園は廃墟同然…「鶴見緑地」を歩いて考えたレガシーのあり方

  4. 9

    米国が「サナエノミクス」にNO! 日銀に「利上げするな」と圧力かける高市政権に強力牽制

  5. 10

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性