強力SB打線ピシャリ 中日・若松が故郷福岡で“恩返し”快投

公開日: 更新日:

 まさかの快投だった。強打のソフトバンク打線に対し、内角をズバッズバッと突く強気の投球で8回3安打無失点。今季5勝目を挙げて、ソフトバンクの連勝を8で止めた。ソフトの無得点は今季初である。

 福岡・久留米の祐誠高から12年ドラフトの7位指名で中日入り。3年目の昨年、6月2日の西武戦(ナゴヤドーム)でプロ初勝利を挙げると、「スカウトの渡辺(麿史)さんにウイニングボールを渡したいと思ってずっとやってきた。ありがとうと伝えたい」と涙をこらえて語った。

 球界OBは「故郷の福岡で、ソフトバンク打線を抑えた見事な投球は、天国の渡辺さんも満足しているに違いない」と言って、こう続ける。

「大分出身の渡辺さんは、90年から中日の九州担当スカウトになり、若松を祐誠高1年時から目をつけた。その時は遊撃手だったそうですが、渡辺さんは監督に投手転向をすすめて2年秋からエースになったのです。福岡の選手ですから、ソフトバンクのスカウトも当然リストアップしていたはずです。でも、渡辺さんが早くから若松や関係者と太いパイプを築いていたことで、遠慮といってはおかしいですが、手を引くような形になったと聞いています。その渡辺さんは14年2月、57歳の若さで急性白血病で他界した。若松は渡辺さんにプロ初勝利を見せられず、大いに悔やんだものです。渡辺さんが亡くなった翌年に10勝を挙げ、今年は福岡で日本一打線をキリキリ舞いさせた。目が正しかったことを証明してくれた若松の投球に、天国の渡辺さんも、きっと目を細めていると思いますよ」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  2. 2

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  3. 3

    N党・立花孝志容疑者にくすぶる深刻メンタル問題…日頃から不調公言、送検でも異様なハイテンション

  4. 4

    我が専大松戸は来春センバツへ…「入念な準備」が結果的に“横浜撃破”に繋がった

  5. 5

    N党・立花孝志氏に迫る「自己破産」…元兵庫県議への名誉毀損容疑で逮捕送検、巨額の借金で深刻金欠

  1. 6

    高市首相「議員定数削減は困難」の茶番…自維連立の薄汚い思惑が早くも露呈

  2. 7

    高市内閣は早期解散を封印? 高支持率でも“自民離れ”が止まらない!葛飾区議選で7人落選の大打撃

  3. 8

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然

  4. 9

    高市首相は自民党にはハキハキ、共産、れいわには棒読み…相手で態度を変える人間ほど信用できないものはない

  5. 10

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗