著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

5カ国中4カ国が1次L勝ち抜け W杯南米の強さは技と頭にある

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■いきなり股間を思い切り

 一方、ウルグアイはポルトガルと対戦した。下馬評の多くは2016年の欧州選手権で優勝した「ポルトガル有利」だったようだ。

 しかし、ご存じのように勝利したのはウルグアイだった。

 ウルグアイではスアレス、カバニという強力なセンターフォワードに目が行きがちであるが、本来の持ち味は堅い守備である。ポルトガル戦でも、カバニが負傷退場の後、シュートを雨あられと打たれ続けながら、ゴールを割らせることはなかった。

 元ブラジル代表の監督だったドゥンガからウルグアイ人の守備について聞かされたことがある。

「彼らはすっと近づいてきて、股間を思い切り握るなんてことまでやる。こちらをひるませるのが目的なんだ」

 この話を元ウルグアイ代表のセンターバックだったモンテーロにぶつけると、彼はいたずらっぽく目配せした。

サッカーには相手がジャンプする前に足を踏んだり、といろんな“技”がある。自分よりも体の大きな選手、素早い選手には頭を使うことが大切なのさ」

 厳密にはファウルである。ポーランド戦での日本代表の時間稼ぎはあくまでもルールにのっとったものだった。決して褒められた行為ではないが、これもサッカーの一部である。南米の国々は、ルールをしれっと破るマリーシア(ポルトガル語でずる賢さ)があるから、強いのだ。

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