著者のコラム一覧
田崎健太ノンフィクション作家

1968年、京都市生まれ。ノンフィクション作家。早大卒業後、小学館入社。「週刊ポスト」編集部などを経て、99年末に退社。著書に「W杯に群がる男たち―巨大サッカービジネスの闇 」(新潮文庫)、「偶然完全 勝新太郎伝」(講談社+α文庫)、「真説・長州力 1951-2018」(集英社文庫)、「電通とFIFA」(光文社新書)、「真説・佐山サトル」(集英社インターナショナル)、「ドラガイ」(カンゼン)、「全身芸人」(太田出版)など多数。

絶対的劣勢 ウルグアイは強国フランス相手に底力見せるか

公開日: 更新日:

 こうした観点で見ると、今回のロシア大会、ベスト8に残った国のうち、ウルグアイは明らかに異質である。

 ピッチの中でのウルグアイ代表の強さは疑うべくもないが、問題はロジスティクス――後方支援である。

 ウルグアイのサッカー協会は常に資金難を抱えており、十分なサポートが出来ているとは言えない。そもそもウルグアイは人口345万人の小国だ。産業は限られており、多くの若者は労働機会を求めて、国を飛び出していく。首都モンテビデオの街ではマテ茶の入った容器と魔法瓶を持つ老人の姿が目立つ。彼らは時間が止まったかのように銀製のストローで熱いマテ茶をすすっている。

 そんなウルグアイが準々決勝(6日23時=日本時間)で対戦するのは、ドイツと並ぶユーロの基軸国であるフランスだ。前述の「指標」の経済的な面で比較すれば、とても太刀打ちできない。

 さらに、フランスは移民国家でもある。旧植民地であるアフリカ大陸などから多くの移民をのみ込む強靱な“胃袋”がある。新星エムバペ、あるいは中盤の要のポグバらは、そうした歴史の上にある。彼らのような有望な選手たちをつくり上げる育成体制もしっかりしている。

 サッカーの「国力」という意味では、絶対的に劣勢なウルグアイがフランス相手にどのような戦いを見せるのか。南米の底力の見せどころでもある。

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