遠のく錦織GS制覇…稚拙なチームとマネジメントに疑問の声

公開日: 更新日:

「このような形で敗退することになって、ガッカリしている。(第1セットの第4ゲームで)サーブを打った後、右太ももに強い痛みを感じた。痛くて足を蹴ったり曲げたりできなくなった。8強を超えられないというのは悔いが残る。体の強さがまだまだ必要だと思った」

 試合後の本人はこう言ったが、そんなのはこれまでもわかっていたこと。30歳目前のいまになって、体を強くすることが果たして可能なのかどうか。マスターズすら勝っていない故障がちの選手だけに、グランドスラムはもう永遠に勝てないのではないか、という気もするのだ。

■「目前の結果に一喜一憂しすぎ」

「グランドスラムでジョコビッチと対戦するのは6度目で、唯一、勝ったのは決勝まで進んだ14年の全米オープン。ジョコビッチはすなわちグランドスラムの壁ともいえるわけで、彼と対戦するまでにいかに消耗を減らすかがカギ。今回2人の通算試合時間で4時間も差があっては最初から厳しかった」と、現地で取材するスポーツライターの武田薫氏はこう言った。


「今大会は絶好のチャンスでした。昨年9月の全米オープンから自信を取り戻し、その勢いを開幕戦のブリスベン国際優勝につなげて全豪に乗り込んだ。問題はこうした順調な流れが、チームの目的意識によってつくられたものかどうか。いまのチーム体制には目の前の結果に一喜一憂している気配を感じるのです。気になったのは1回戦。世界ランク176位の23歳に2セットを先取されて苦しみ、相手が勝手に潰れて勝ちを拾った。錦織は大会前、相手をよく知らないと話していた。本人はそれでもいい。チームスタッフにどれくらいの緊張感があったのか。好調だからと舐めた雰囲気はなかったか、そんな疑問が湧きました。3年前の楽天オープンも、絶好調と言いながら2回戦で臀部を痛めて棄権しています。好調なときこそ選手をいい気分にさせておきつつ、チームスタッフには何があってもおかしくないという緊張感が必要だと思う」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  4. 4

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず

  5. 5

    本命は今田美桜、小芝風花、芳根京子でも「ウラ本命」「大穴」は…“清純派女優”戦線の意外な未来予想図

  1. 6

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  2. 7

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  3. 8

    石破首相続投の“切り札”か…自民森山幹事長の後任に「小泉進次郎」説が急浮上

  4. 9

    今田美桜「あんぱん」44歳遅咲き俳優の“執事系秘書”にキュン続出! “にゃーにゃーイケオジ”退場にはロスの声も…

  5. 10

    参政党のSNS炎上で注目「ジャンボタニシ」の被害拡大中…温暖化で生息域拡大、防除ノウハウない生産者に大打撃