著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

一人の“脱走者”も見逃さじ…東京五輪選手村の鉄条網や監視塔の設置はまだか?

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 誰に何を言われようと東京五輪やるんだそうだ。

「うちの町は感染者ゼロなのに子どもたちの運動会は無観客だよ」

 という下々の声には聞く耳持たず。サッカー野球も上限1万人でやってるってのに、総理ったら2万人入れるんだってヨ。内訳は国内の有料観客をほかのスポーツイベントに倣って1万人。プラスIOC関係者1万人。え! あとは関係者かよ!

 IOC関係者の内訳は、家族やら親戚やら友だちやら。ぞろぞろファーストクラスでフリーパスでご来日になる方々のVIP席だ。プラス1万席は赤絨毯敷いてご用意申し上げないとバッハさまの逆鱗に触れますシ。

 東京・晴海の選手村のそばを通ると気付く。夜でも電気がついてる。ははあ、掃除のおばちゃんやリネン業者も出入りし始めたんだろう。

 シカシ! 選手村の準備はまったく整っていない。選手は選手村と競技会場往復のみ、一切の外出禁止。違反した者は厳しい処分って、血気盛んな年ごろの男女が、夜中に「う~」って血が上るのを耐えられるか? 橋本聖子! 選手村と外界を遮断するための鉄条網の設置はまだか! 鉄条網十重二十重に張り巡らせ、それをかいくぐって脱走を図る者を見張る監視塔の設置はまだか! 最低でも周囲8カ所の監視塔からは夜な夜な煌々とサーチライトが選手棟を照らし、一人の脱走者も見逃さじ。

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