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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

メジャーが五輪に冷淡なこれだけの理由 機構や球団の態度や考えにも一理ある

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「大谷とトラウトの対戦を想像すれば、これ以上の場面はない」

 フィリーズの中心打者ブライス・ハーパーが昨年5月に行った発言は、オリンピックへの選手の派遣に消極的な大リーグ機構を批判するものだった。

 今年開催予定の東京大会で3大会ぶりに正式種目となったものの、2024年のパリでは採用されず、28年のロサンゼルス大会での実施も不透明というのが、オリンピックにおける野球の立場だ。

 1992年のバルセロナ大会にNBAが選手を派遣し、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンら「ドリームチーム」の活躍によってバスケットボールの魅力を人々に伝えたことを考えれば、「世界の球界の最高峰である大リーグの選手が出場しないのは、野球を世界に普及させようとする大リーグ機構の戦略に矛盾する」という趣旨のハーパーの指摘にも一理あることが分かる。

 一方、機構側からすれば、たとえ4年に1度とはいえ、選手の派遣を認めて公式戦を中断することは難しい。なぜなら、例年は9月末から10月第1週に終わるレギュラーシーズンの日程を延長するか、ダブルヘッダーや連戦を増やすかして所定の日程で終わらせなければ、NFLやNBAなど競合する他のプロリーグの公式戦と時期が重複し野球への関心の低下が懸念されるからである。

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