著者のコラム一覧
元川悦子サッカージャーナリスト

1967年7月14日生まれ。長野県松本市出身。業界紙、夕刊紙を経て94年にフリーランス。著作に「U―22」「黄金世代―99年ワールドユース準優勝と日本サッカーの10年 (SJ sports)」「「いじらない」育て方~親とコーチが語る遠藤保仁」「僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」など。

前田大然を強くした16歳での挫折…高1の冬から1年サッカーを離れた“問題児”の意識改革

公開日: 更新日:

FWには強気のメンタルが必要

 ──コパアメリカの直後に(ポルトガルの)マリティモに移籍し、コロナ禍の20年夏に横浜M入り。21年にJ1得点王と大きく飛躍した。

「山雅時代に磨いた守備力があったからこそ、ポルトガルでコンスタントに試合に出られたと思います。横浜Mでは、ゴールの迫力や精度にも磨きがかかった。あと『外してもいいからシュートを打ち続けろ』と言い続けましたが、精神面も強化されましたね。FWには強気のメンタルが大事です。清水時代に間近で見たFWマルキーニョスもそうでしたが、どんな状況でも打ちまくった。日本人は消極的になりがちだけど、積極果敢にゴールに向かう姿勢をなくしてほしくなかった。『いつ、どこで中に入っていってシュートに持ち込むか』という戦術的部分もプラスされ、23ゴールという結果が出た。あとは少ないチャンスを確実に仕留められるようにシュート全体の質を上げてほしいと願っています」

 ──カタールW杯で前田に何を期待する?

「今の大然がW杯レベルでどこまでできるか、それは未知数です。だからこそ興味があります。今季のセルティックは欧州CLに出場しているのでW杯1次リーグでドイツ、スペインと対峙する前に世界最高峰レベルを体感できるのは大きい。異次元の世界の中で自分の殻を破ってくれるかどうか、大然には期待しています。いずれ欧州5大リーグに飛躍し、英プレミアで優勝したオカのようになってほしい。楽しみは尽きないです」

(聞き手=元川悦子/サッカージャーナリスト、絹見誠司/日刊ゲンダイ

前田大然(まえだ・だいぜん 1997年10月20日生まれ。大阪・南河内郡出身。山梨学院高から2016年に松本山雅入り。松本-水戸-松本から19年にポルトガル1部マリティモに移籍。20年に横浜Mに移籍してゴールを量産し、23ゴールを挙げて得点王。21年にスコットランド1部セルティックに移籍した。身長183センチ、体重67キロ。

吉永一明(よしなが・かずあき) 1968年3月17日生まれ。北九州市出身。福岡大卒業後に三菱養和会のコーチ。福岡、清水、鳥栖のコーチを歴任して2010年に山梨学院高サッカー部の監督に就任した。甲府コーチを経て17年にアルビレックス新潟シンガポール監督に就任。19年にJ新潟監督。20年から新潟アカデミーのダイレクターに就き、21年にA新潟Sのテクニカルダイレクター。今季、再びA新潟Sで指揮を執っている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景