ダルビッシュはWBC本番中も“昼に夜に”フル回転…あれこれ制約付きの大谷の分まで奮闘必至

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先発もリリーフも

 ダルはメジャー11年で通算95勝(75敗)。近年はサイ・ヤング賞投票で上位と、いまやメジャーを代表する右腕だ。経験も実績も大谷よりはるかに上。調整も完全に任されていて、ダル自身、WBCでは何でもやると話しているという。

 例えば負ければ終わりの準々決勝に大谷とダルの両エースをつぎ込むとしたら、大谷は先発で、なおかつ球数やイニング数まで制限されることになりそう。必然的にダルはリリーフに回って、しかも長いイニングを投げる必要が出てくる。大谷に投手としてさまざまな制約がある以上、ダルは本番で先発にリリーフにフル回転せざるを得ないのだ。

 さて、そのダルは21日、実戦形式の打撃練習である「ライブBP」に登板。1人目の村上に4球目をセンターバックスクリーンへ放り込まれた。

 2人目の大城は左飛と一ゴロ。近藤には中前安打を浴びたものの、岡本と牧は無安打に打ち取った。ここで吉井投手コーチから「村上、もう1回!」との掛け声。慌てて打席に入った村上に変化球を左前へ流し打たれた。「オー」と言いながら拍手を送ったダルビッシュは、「(本塁打は)打った瞬間いったかなと。公開処刑されて、ちょっと悲しい。ツーシームが高めにいきましたけど、あの球はメジャーの選手も簡単に打てない。びっくりした」と日本の若き主砲に賛辞を贈った。

 まだ、最初のライブBPだ。メジャーリーガーはルール上、6日の阪神戦まで試合に出場できないが、本人はそれでも問題ないと話しているし、本番までにはベストの状態に仕上げてくるだろう。

■高級焼き肉店で14人の食事

 その存在感はグラウンド外でも日に日に高まっている。

 キャンプ初の休日となった20日夜は、宮崎市内の高級焼き肉店で、14人の投手全員が参加した食事会を開催。ダルビッシュは自身のツイッターに「宇田川さんを囲む会に参加させていただきました! 宇田川さん、ご馳走様でした!」とつづり、宇田川が中心で腕を組んだ投手陣の集合写真を投稿した。その宇田川が「僕は減量中なんですけど、休みの前の夜と休みの日は食べていいことになっているんです。きのうは楽しかったので、結構食べました」と話せば、参加した投手のひとりはこう証言する。

「元々、最初の休みの日に投手会をやることは決まっていました。主催はもちろんダルさんです。決起集会というよりプライべートな会という感じでした。支払い? 僕はしていません。あとはダルさんに聞いてください。宮崎でやるかは分かりませんけど、野手も入れた全員での決起集会もやると思います。これもダルさん主催でしょう」

 今季から6年総額約140億円という大型契約を結び、プライベートジェットで宮崎入り。メジャーのトップ選手になったダルが14人分の支払いを済ませたのは想像に難くない。

 宮崎入りした15日夜には、岡本ら巨人勢4人と会食。投手、野手を問わず、常に輪の中心にいるこの男は、昼夜問わず奮闘している。WBC本番でも大車輪の活躍が期待できそうだ。

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