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佐々木裕介フットボールツーリズム アドバイザー

1977年生まれ、東京都世田谷区出身。旅行事業を営みながらフリーランスライターとしてアジアのフットボールシーンを中心に執筆活動を行う。「フットボール求道人」を自称。

タイサッカー界のトップアイコンを香港で直撃! 川崎チャナティップはタイリーグBGに移籍する

公開日: 更新日:

暹羅(シャムロ)のエル・プリンシペは何処へ向かうのか?

 タイでの現地取材やチャナティップの表情などから推測する筆者の読みはこうだ。

 チャナティップは、この夏の移籍市場でタイのクラブへ移籍するだろう。移籍先は前出のBGだ。

 今年10月で30歳になるチャナティップが重要視しているのは、出場機会が欲しいことだと推測できる。

 仮に彼に興味を持つJクラブがあったとしても、設定された移籍金を払えるクラブは極めて少なく、そこまで投資して彼を迎え入れたいクラブも現状ではほぼ皆無と言っていいだろう。

 また短期ローンで貸し出す方法もあるにはあるが、川崎側は同じディヴィジョン(J1)のクラブへは貸さないだろうし、J2以下のクラブにはチャナティップ自身が興味を示さないはずだ。

 そうなると、やはり資金力のあるタイのクラブが、自国のスーパースターを“取り戻す”というストーリーが一番合致するからである。

■屈託のない3枚目キャラと柔軟性のあるマインドは唯一無二

 バンコクの街を歩けば、まぁ~いろんなところで彼の姿を目にする。国内での注目度は群を抜いている。

 日本での成長と活躍を楽しみにしていたタイ人ファンたちも、今では試合に使ってもらえないのなら連れ戻せ!的な思いを抱いてしまうことは、ある意味理解できるだろう。

 東南アジア人選手として初のJベストイレブンに輝いたのが2018年。しかし、それ以降は度重なる怪我も重なり、際立った数字を残せていない。とはいえ、あの屈託のない3枚目キャラと柔軟性あるマインドは唯一無二な存在だ。彼のような愛され方をする選手はそう簡単には続かないだろう。

 彼のウィキペディア英語版は、すでに現所属クラブが“BGパトゥム・ユナイテッド”に変わっている。

 クラブから公式発表がなされていない今、ページ管理者の悪戯であることは確かだが、多くのタイ国民は不遇されているアイドルを母国へ帰還させたい、と願っているに違いない。

 チャナティップがこじ開けた、東南アジア選手の日本への蹴球的人流。もし彼のタイ国内への移籍が決まるとなると、ひとつの時代が終焉を迎えるのかも知れない。

 ここ数日で何か動きがあるのか、騒ぐ心を落ち着かせて注視したい。

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