釜本邦茂が自ら語る「ガマッチョ」と呼ばれるようになった由来
チーム最年少だった64年東京五輪でも、ピッチ内外でチームメートから「ガマ」と呼ばれた。
■初の南米遠征から突然…
メキシコ五輪の前年の67年7~8月、日本代表は初めての南米遠征(ペルーとブラジル)を行った。五輪が開幕する半年前の68年3月には、開催地の空気に慣れるためにメキシコに遠征して試合をやった。その頃からかな。「ガマ」じゃなくて「ガマッチョ」に呼び名が変わっていったのは。
誰が最初にそう呼んだのか、今となっては100%覚えてへん。思い返してみると南米やメキシコに滞在中、語尾が「……ニョ」「……チョ」といった名前がやたらと聞こえてくるようになり、耳が慣れるに従って「ガマッチョ」の方が、何となく呼びやすくなっていったっていう感じかな。
大会期間中に何度も足を運んだ地元のレストランも「リンコン・ガウチョ」や。ここはコーチの岡野俊一郎さんが「選手村の食堂だけでは味気ない。地元のレストランで気分転換したい」と専属運転手として派遣されたメキシコ人に相談して紹介された店やった。最初に聞いたときには「何やヘンテコリンな名前の店やなぁ~」と思った「ガウチョ」も「ガマッチョ」定着にひと役買ったような気がする。=つづく
(取材・構成=絹見誠司/日刊ゲンダイ編集部)