「教わったことをすぐ覚えちゃうのがすごいネ」師匠の元関脇高見山が驚いた曙の本当の強さ

公開日: 更新日:

 同じことを白鵬(現宮城野親方)についても聞いた。

 入門後まもない白鵬に部屋の関取、光法が稽古をつけていて師匠の先代宮城野親方(元幕内竹葉山)に「親方、この子は強くなりますよ。教えたことがすぐできる」と言ったという。「その他大勢」だった少年が、22歳で横綱になった。

 2人とも相撲経験のない「たたき上げ」だった。曙は生前、「なまじ相撲をかじっていないから、何を教わっても当たり前のように聞けて、のみ込みが早かったと思う」と述懐したが、「たたき上げ」がみんなそうではない。相撲に限らず、言われたことをすぐできるのは早熟の王者に共通の希少な資質だ。眼力のある師匠でも入門させてみないと分からない。確率の問題ともいえる。

 分母(入門者)が減り続け、アマチュア相撲経験者があふれる今日、新入幕力士の快進撃が続き、春場所ではまだちょんまげの尊富士が優勝したが、同じスピード出世でも曙や白鵬とは印象が違う。「寝て起きるたびに強くなる」と言われるような青年横綱は、もう生まれないのだろうか。(若林哲治)

  ◇  ◇  ◇

関連記事【もっと読む】外国出身初の横綱・曙さん死去 相撲道追究した栄光と挫折 も要チェックだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    二階堂ふみと電撃婚したカズレーザーの超個性派言行録…「頑張らない」をモットーに年間200冊を読破

  2. 2

    参政党・梅村みずほ議員の“怖すぎる”言論弾圧…「西麻布の母」名乗るX匿名アカに訴訟チラつかせ口封じ

  3. 3

    キンプリ永瀬廉が大阪学芸高から日出高校に転校することになった家庭事情 大学は明治学院に進学

  4. 4

    さらなる地獄だったあの日々、痛みを訴えた脇の下のビー玉サイズのシコリをギュッと握りつぶされて…

  5. 5

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  1. 6

    山本舞香が義兄Takaとイチャつき写真公開で物議…炎上商法かそれとも?過去には"ブラコン"堂々公言

  2. 7

    萩生田光一氏に問われる「出処進退」のブーメラン…自民裏金事件で政策秘書が略式起訴「罰金30万円」

  3. 8

    二階堂ふみ&カズレーザー電撃婚で浮上したナゾ…「翔んで埼玉」と屈指の進学校・熊谷高校の関係は?

  4. 9

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 10

    日本ハム中田翔「暴力事件」一部始終とその深層 後輩投手の顔面にこうして拳を振り上げた