著者のコラム一覧
鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

野球賭博で永久追放ピート・ローズの意外な素顔…酒、たばこどころか、自分の顔がラベルのソーダ水も飲まず

公開日: 更新日:

 誰からも愛され、誰よりも憎まれた野球人、ピート・ローズが先日、83歳で死去した。

 1963~86年に大リーグに24季在籍して、23年連続100安打以上を記録し、200安打以上も10回達成するとともに、一塁、二塁、三塁、右翼、左翼と5つの守備位置でそれぞれ500試合以上に出場するなどいくつもの史上唯一の記録を保持するのがローズだ。

 新人時代に全力で疾走する様子から「チャーリー・ハッスル」(がんばれ、チャーリー)と呼ばれ、これ以降、これがアダ名になり、常にもう1本の安打、次の塁を狙う姿が多くの観客の共感を呼ぶことになる。

 また、ローズ自身も常に最高の状態を保つために節制に努めていた。喫煙や飲酒はせず、自分の顔を印刷したラベルが貼られたソーダ水が売られていても、ローズ本人はミネラルウオーターを飲んでいた。

 あるいは、誰よりも早く球場に到着して練習を行う姿は現役中、変わることはなかった。

 ローズが「安打王」と呼ばれ、球史に残る数々の記録を打ち立てられたのも、精神と肉体の強靱さの結果であり、野球選手の手本ともいうべき存在だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態