阪神7連敗でも藤川監督“長期政権説”浮上…株主総会では「リーダーの資質感じられない」と厳しい声も
「藤川球児監督についてですが……」
17日の阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会。セ・リーグ首位を快走するチーム状況とは裏腹に、株主のひとりが就任1年目で44歳の青年指揮官を痛烈に批判したのだ。
「そもそも組織を動かすリーダーとしての資質がないように思えてならない。背番号22も監督らしい番号じゃない。年配の参謀格のコーチを置くなど改革を講じるべき」
これに阪神電鉄の上戸健司常務取締役は、「藤川監督は何よりもタイガースを強くしたいという熱意が非常に強く、チームを優勝に導いてくれると考え、監督就任をお願いしている」とした上で、「チームの状態は決して良くはございませんが、私ども本社、フロントは藤川監督を信頼し、任せてございます」と、変わらぬ信頼を口にした。
もっとも、株主の指摘は的を射ている。チームは先週10日からの西武、楽天のビジター6連戦で6連敗。そのうち5試合は救援陣が打ち込まれての逆転負け。投手に負担をかけるイニングまたぎを連発するなど、SNSなどでは、藤川監督の投手起用に不満の声が噴出した。
しかも、15日の楽天戦では佐藤輝明が中堅方向に大飛球を放った後、いわゆる「確信歩き」で全力疾走を怠り、テレビ解説を務めた岡田彰布球団顧問に加え、掛布雅之OB会長もテレビ番組で苦言。掛布氏に至っては、「いま、藤川監督と、コーチの距離感がちょっと離れすぎているのではないかと思う。だからこういうプレーが起こるんじゃないか」と、監督とコーチの亀裂をほのめかしたほどだ。
「今季は監督とコーチの仲介役を担うヘッドコーチが不在。しかも藤川監督は、選手起用や一、二軍の入れ替えなど、基本的に独断で物事を進める傾向があると聞いています。コーチ陣が監督への進言を躊躇するムードがあるのは確かです」(在阪放送関係者)
株主総会直後のこの日のロッテ戦(甲子園)で逆転負けを喫して連敗は7に。首位争いをしている間はともかく、このままズルズルいくようなら、指揮官への批判はさらに高まりかねない。
「それでもフロントは3年契約を結んだ藤川監督の長期政権を視野に入れている」とは、コーチ経験のある球団OB。