落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

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 先発ローテーションの谷間でも、おんなじ。担当記者は、グラウンドに双眼鏡まで持ってきて、各投手の練習メニューを見ては、誰が先発するのか当てっこするのに必死だったが、監督は試合開始直前まで一切、何も聞いてこない。オレが「きょうは○○でいきますから」と言って初めて、「へえ」とか「やっぱりそうか。そうだよな」とリアクションする程度。8年間で何度か、ここがシーズンの勝負どころ、あるいはキーポイントの試合というときに、監督に相談に行ったこともあるが、「おまえを信用して任せてるんだから、オレの了解なんて必要ない。オレが知っても、何の役にも立たないだろ。オレが知らないんだから、マスコミだって知りようがない。その方がいいじゃんか」と言うだけだった。

 もちろん、継投もそうだ。先発の交代機もリリーフの投手起用も、監督はオレが決めたことを審判に告げに行くだけ。名前を聞き間違って、審判のところから、「誰だっけ?」と戻ってきたことは何回かあったけど、投手のことは一から十まで本当に任せてくれた。

 唯一の例外は就任1年目、04年の開幕投手に川崎憲次郎を指名したことだけ。その年の正月明けに、新コーチ陣が落合監督からゴルフと温泉に招待された。そこで、監督から「川崎でいく」と耳打ちされた。そりゃ、驚いたよ。川崎は01年にFAでヤクルトから中日に移籍して以降、右肩の故障で一度も一軍のマウンドに立っていない。

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