落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

公開日: 更新日:

 唯一の例外は就任1年目、04年の開幕投手に川崎憲次郎を指名したことだけ。その年の正月明けに、新コーチ陣が落合監督からゴルフと温泉に招待された。そこで、監督から「川崎でいく」と耳打ちされた。そりゃ、驚いたよ。川崎は01年にFAヤクルトから中日に移籍して以降、右肩の故障で一度も一軍のマウンドに立っていない。

 あとになって、川崎に対する事実上の引退勧告だったこと、故障で苦しんでいる川崎を抜擢することでチームをひとつにしようとしたことなど、監督からいろいろと理由を聞いたものの、「とんでもないことを考える人だな」とのっけから思わされた。2月1日のキャンプインに紅白戦をやったり、一切の補強を拒否したり、就任1年目の落合監督はチームを変えるために手を尽くした。落合監督は言ったことは必ずやる。絶対にブレない。

 オレに一任してくれた投手起用だってそう。正直、それがオレにはプレッシャーにもなったが、全面的に任してくれている以上、「下手なことはできない。いい加減なことはできない」という、やりがいと緊張感を持たせてくれた。

 非難囂々だった、あの07年の日本シリーズ、完全試合目前での山井大介の交代もそうだった。(この項つづく)

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い