初の黒人力士だった戦闘竜さんは難病で入院中…「治療で毎月30万円。助けてください」
再婚し家族が増えたさなか…「もっと生きて楽しい時間を過ごしたい」
そばには、2年前に再婚した5歳年下の真由美夫人が寄り添う。准看護師として別の病院に勤務しながら、戦闘竜さんの病院に通っている。
「4年前に、マッチングアプリで知り合いました。やさしいし、美人でしょ?(笑) 彼女の笑顔が大好き。もっと早く出会えていたら、子どもをもてたかもしれないと思う。でも、彼女は死別した前のご主人との間に29歳の長女と27歳の長男、2歳の孫が1人いるから、今、僕は家族が一気に増えて幸せ。もっと生きて彼らの成長を見届けたいし、奥さんとも楽しい時間を過ごしたい。奥さんの作る牛すじと大根の煮物は最高なんだよ!(笑)」
力士時代に結婚した前夫人とは、2018年に離婚。前夫人の父親の会社に勤めていたので、会社も辞めた。転職を経て、昨年入社した大手食品会社はいま休職状態だ。
「日本語と英語のできる人を求めていると知り合いに紹介され、営業の仕事をしていました。結果を出していたので悔しい。体調が戻ったら、またがんばりたい。自信あるから!」
さて、立川市生まれ、米セントルイスで育った戦闘竜さんは、アメフトやレスリングに打ち込む学生時代を送り、高校卒業後、来日して友綱部屋入門。初の黒人幕内力士となり話題になった。
「筋骨隆々だったけど、僕の筋肉は硬くてケガが多かったのが残念。でも、幕内力士になれたことは僕の誇り。今も大相撲をテレビで見るのは楽しみ。大の里は立ち上がりから、一気に前に出る力を持ってる。体が大きいし若いから、長く横綱を務めるんじゃないかな」
03年引退後、プロ格闘家に転向。元横綱の曙が苦戦する一方、いち早く勝利をおさめ「相撲は強いんだよ!」のマイクパフォーマンスで相撲ファンを熱くした。
「ボロボロの体だったけど、ファンの心をつかめる選手になれると思えたからPRIDEのオファーを受けました。相撲出身者がなかなか勝てず、ずっと悔しかった。初めて勝ったとき、高田道場で一緒に練習していた桜庭和志さんに、『相撲出身者は強いってことをアピールしたらいい』と言われたのを思い出し、あの言葉が出たんです」
体調がきついにもかかわらず、病院のベッドで長いこと取材に応じてくれた前向きな戦闘竜さん、頑張れ!
(取材・文=中野裕子)