上原浩治の意外な素顔 「ボク、貧乏ですから。おかんが…」は好感度アップの演出だった!
上原の感情は振り子のように揺れていたのか、それとも使い分けていたのか。
5年前のことだ。新人王を取った翌年の自主トレ。練習後に番組の収録をお願いしていたのだが、なんと彼は裸足で私の前に現れた。私が驚いて「靴はどうしたの?」と聞くと、雑草男は「外野の芝生は裸足が最高です。それにボク、貧乏ですから。おかんがこれ持ってけって言うんです」と言う。驚いたことに、薄汚れたデパートの紙袋を持って立っている。その中にピカピカのスパイクシューズがコンビニのビニール袋に無造作に包まれて入っていた。
投手タイトルを総ナメにした上原の年俸は、既に5倍以上に跳ね上がっている。それでも紙袋の愛用者。「ぜいたくを嫌う、おごらない性格」。私は思わず胸が詰まった。以来、私は「上原浩治=庶民派感覚の雑草魂」と心に刻んで、実況でこの形容詞を何度も連呼したものです。
しかしである、甲子園の衝撃を聞いて欲しい。その年の夏。芦屋の宿舎から巨人が移動バスに乗り込むとき、私は見たのだ。バスの陰で背中を丸めてしゃがみ込んだ新人王の姿を。彼は野球道具一式が整然と詰まった革製の超高級バッグから、シューズ類を取り出して、紙袋にせっせと移し替えていたのだ。


















