「潮鳴り」が話題 葉室麟氏に聞く

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<挫折や失意の底に沈んでからこそが人生>

 第146回直木賞受賞作家の葉室麟氏による時代小説「潮鳴り」(祥伝社 1600円)が、今月末刊行される。前作「蜩ノ記」と同じ豊後・羽根藩を舞台とするシリーズ第2弾の本書について、葉室氏に語ってもらった。

 物語の主人公・伊吹櫂蔵(いぶきかいぞう)は、かつては藩校で俊英といわれたほどの剣術と居合術の腕前の持ち主。3年前まで勘定方として出仕していたものの、率直な物言いがあだとなってお役御免となり、家督を弟に譲っていまや浮浪者同然の身の上となっていた。

 そんなある日、弟が自死したことから弟の志を知ることになり、周囲にバカにされながらも弟の代わりに家督を継ぎ、出仕することを決意する。

「ある程度の年齢まで生きてくると、失意を経験することや、大きな挫折をした友人を目にすることが増えます。しかし人間の真価というものは、順調に生きているときでなく、むしろ瀬戸際に追い詰められたときにこそ現れるのではないか、と思うのです。だからこそ、そんな人間が生きていく物語を書こうと思いました」と葉室氏は語る。

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