正月に読みたい特選小説

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 気を取り直して顧客の運送会社に向かうと、会社の場所にはなぜか木造の古びたアパートがあった。気づくと周囲はすべて昭和の風景になっていた。馴染みのバーに行ってみると、乳がんで死んだはずのママが出迎えてくれた。ママによるとここはあの世で、1978年の東京だという。(「死都東京」)
 他、平凡な一族の88代にわたる歴史を描いた「アイアン・ファミリー」など、スパイスの効いた8話を収録した作品集。

(文藝春秋 1350円+税)

■「TATSUMAKI 特命捜査対策室7係」曽根圭介著
 壮一郎は、所轄署から未解決事件を専門に捜査する警視庁捜査1課特命捜査室7係に栄転。着任早々、主任の辰巳麻紀に同行してコソ泥常習犯の岡田を事情聴取する。岡田は、ある失踪事件の情報と引き換えに取引を求めていた。事件は5年前、小久保清二という男が失踪し、妻の証言から遺産相続問題でもめていた警察官の兄・亮一が殺人の容疑者として浮上。しかし、死体も見つからず、事件は未解決のままだった。
 岡田の話では、清二は玉木という麻薬密売人に儲け話を持ち掛けられていたという。再捜査に取り掛かった麻紀ら7係は、玉木の周辺を探る。一方、亮一に話を聞きに行った壮一郎は、警察を追われ自堕落の生活を送る彼に振り回される。豪快な女刑事・麻紀を中心に個性的な7係の面々が未解決事件に挑む警察エンターテインメント。

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