「ステロイドと『患者の知』」牛山美穂著

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 アトピー性皮膚炎の治療に用いられるステロイドは、副作用の問題から使用の是非が問われ続けている。本書では、いまだ明確な方向性の見えていないステロイドの使用について、近代医療や民間医療などさまざまな専門分野の現状をまとめている。

 日本皮膚科学会のガイドラインでは、ステロイドの使用をアトピー性皮膚炎の標準治療としている。

 金沢大学医学部皮膚科教授の竹原和彦氏は、民間療法を含む脱ステロイド療法に明確な批判を表し、いわゆる“アトピービジネス”がはやる背景などを分析。

 一方、皮膚科医の中でも脱ステロイドを提唱する医師も多い。本書では、皮膚に塗るタール剤や、α-リノレン酸を取る食事療法などが用いられるケースも増えている現状を明らかにしている。(新曜社 2100円+税)

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