「狙撃者の悲歌」森村誠一著
人生に落ちこぼれた山形は、暴力団曾根崎組の直系若頭・浜野に拾われ、見習になる。そんな中、組長の田所が急死、組内に派閥争いが勃発する。本家組長に決まった大原が狙撃され、ボディーガードを務めていた浜野は地下に潜り報復の機会を狙う。山形は鉄砲玉を志願。一方、工員の熊沢は拾った自転車が原因で女子高生暴行殺人事件の容疑者にされてしまう。事件時、熊沢は“マントル”を利用していたのだが、相手をしてくれた風俗嬢のユミコは熊沢を知らないと証言。熊沢は、無実を証明するため護送中に脱走する。同じころ、警官の桐生は、熊沢の犯行に疑問を抱き独自に捜査を始める。
いくつもの事件が複雑に交錯する長編サスペンス。(祥伝社 620円+税)