元財務官僚の経済学者が財政危機の現状を解説、今後のシナリオを予測した経済リポート。
2017年4月に予定されていた消費税等増税の延期で、日本の財政再建はめどがまったく立たなくなり、財政破綻の確率が高まるだけでなく、その時期も前倒しになりそうだと指摘。なぜなら、政府が目標とする2020年度の基礎的財政収支の黒字化は、消費税率を10%に引き上げることを前提にしているからだ。このままでは、2030年ごろには財政は持続不可能な状態に陥り、その結果、預金課税や預金封鎖さえ起こりかねないという。
安倍政権の金融政策の失敗を検証しながら財政再建への処方箋を説く。(朝日新聞出版 1500円+税)