「暗い時代の人々」森まゆみ氏

公開日: 更新日:

 特に著者の思い入れが強いのは、京都で庶民の生活に即した反ファシズムの新聞「土曜日」を立ち上げた斎藤雷太郎、その活動を支えた喫茶店「フランソア」の開業者・立野正一だという。

「あの暗黒の時代に京都で抵抗運動があったことが大事です。情報は統制され、真実が伝えられず、小さな新聞は検閲や弾圧に泣いた時代に、斎藤と立野は粘り強い闘い方をしました。『土曜日』は誰もが書けそうな平易な文章で、読み手に自分が主体になれるという気持ちを起こさせたんです。声高に騒ぎ立てるでなく、じわじわと確実に広める活動を続けましたから」

 地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を創刊し、数々の市民運動に尽力した著者ならではの思いも強い。

「活動していると『あれやれこれやれ』と偉そうに言ってくるジジイがいるんですよ。自分では何もやらないくせに。そういうやからが入ると運動が曲がっていくのを何度も経験しましたから。上から目線や揚げ足取りでは味方がつかない。普通の人が主体性をもってやらないと、活動は長続きしません」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無名俳優と電撃格差婚で 川栄李奈にのしかかる“ミルク代”

  2. 2

    理由は子どもだけか 磯野貴理子“2度目離婚”芸能記者の見方

  3. 3

    川栄李奈が32歳の俳優と“授かり婚”で…今後の女優人生は?

  4. 4

    防衛大学校が受験者2250人も激減…蔓延する“いじめ”の実態

  5. 5

    【日本ダービー】無敗の皐月賞馬サートゥルナーリアに立ちはだかる厚い壁

  6. 6

    習近平に隠し玉 レアアース禁輸で日本ハイテク産業大打撃

  7. 7

    流出した細川ふみえのキャバ嬢時代写真を巡って直談判に

  8. 8

    安倍政権が企む“年金改悪”のゴールは「80歳」での支給開始

  9. 9

    立憲が参院東京選挙区で大バクチ 強気“2人擁立”は吉か凶か

  10. 10

    85%が老後に腐心…50代から2000万円貯める40代の資金計画

もっと見る

編集部オススメ

  1. {{ $index+1 }}

    {{ pickup.Article.title_short }}

もっと見る