「暗い時代の人々」森まゆみ氏

公開日: 更新日:

 権力に主体性をもって毅然と立ち向かった人々は他にもいる。2人の子を抱え、職を転々としながらも日本初の婦人社会主義団体「赤瀾会」を創立した九津見房子、さらには竹久夢二、古在由重、西村伊作の生涯にも肉薄。

「軍国主義に便乗した作家や詩人が多い中、この9人はブレなかった。皆、失敗が多く、決してエリートではなかったけれど、暗い時代にかすかな光をともした人々なのです」(亜紀書房 1700円+税)

▽もり・まゆみ 1954年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。出版社勤務ののち、84年に地域雑誌「谷中・根津・千駄木」を創刊。09年の終刊まで編集人を務めた。政権や広告会社などの仕掛け人の意図で左右されない、送り手と受け手の相互交流を目指した「谷根千」マインドは今も健在。近著に「子規の音」「『青鞜』の冒険 女が集まって雑誌をつくるということ」など。

【連載】著者インタビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった