「救済」長岡弘樹著
6年生の祥の友達は19歳の信くん。身長185センチで90キロだが、5年生のときにスズメバチに刺されて高熱を出し、精神年齢の発達が10歳くらいで止まってしまった。
2人で遊んでいると、遠くからワイシャツ姿の男の人がこっちを見ている。信くんの話では、あれは刑事のヨコザワさんで、最近続いている空き家への放火事件の犯人が信くんではないかと疑っているという。
信くんが100円ライターを拾って集める趣味があるためらしい。2人で計画的に遊ぶために時間割までつくっていた信くんが、ある日、姿を見せなかった。(「夏の終わりの時間割」)
子供の頃、友達と遊ぶ時間がいかに大切だったか思い出させてくれる作品ほか、5編のミステリー。
(講談社 1450円+税)