「道具箱はささやく」長岡弘樹著

公開日: 更新日:

 北山と南谷は小学生誘拐事件の容疑者・伊形を尾行していたが、南谷と目があった瞬間、伊形は走り出し、ホテルのパーティー会場に逃げ込んだ。伊形は38歳、中肉中背で特徴のない顔で、大勢の中から見つけだすのは難しい。そのとき、会場にラジオのパーソナリティーの小城がいるのに気づいた。小城は非常によく通る声の持ち主で、ひったくりに遭遇したとき、「泥棒っ」と叫んだら周囲の人はみな小城の方を見たが、ひったくり犯だけは見なかったという。すると、北山は一計を案じて、小城に近づいた。南谷は彼の作戦にあわせて、ある男の背中に声をかけた。(「声探偵」)

 人間の心理を利用したトリッキーな短編18編。

(祥伝社 1500円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」