「路地裏で考える」平川克美著

公開日: 更新日:

「路地裏目線」で世の中を見つめたエッセー。

 仕事上では合理主義者であったかつての部下のユダヤ系アメリカ人が、日本映画で好きなのは「釣りバカ日誌」だとよく言っていたという。この極めて日本的な映画が彼の心を捉えたのはなぜか。そして、この原作の漫画が実に40年も連載が続く人気を得たのはなぜか。この作品を糸口に高度経済成長を経て、社会が定常化経済へと移行した時代のサラリーマン社会が持つ本質的な問題とはいかなるものかと考察する。

 ほかに、「映画の中の路地裏」と題した映画評や、中学時代の友人と始めた温泉巡りの出先で考えたことなど。生活者の視点を大切に思索を深めていく。

(筑摩書房 780円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"