「オリジン・ストーリー 138億年全史」デイヴィッド・クリスチャン著 柴田裕之訳

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 われわれはどこから来て、どこへ向かうのか――。本書は、宇宙学、人類学、考古学、歴史学など各専門分野に分断されたヒストリーではなく、宇宙の始まりから宇宙の終わりまで見渡す全体の物語「ビッグヒストリー」に挑んだ話題の書。

 本書では、単純だった宇宙に複雑なものが生まれ、さらに複雑さが増大していく過程で、世界がいくつもの臨界点を超えていく道筋が描かれる。

 始まりのビッグバンから、恒星や銀河の誕生、生命の芽生え、人間の出現、農耕の始まり、化石燃料革命、グローバル化社会の出現など、いくつもの臨界点を超えてきたこの世界で、人間という種とはどのような存在だったのか。酸素と食料を補給しつつ情報を読み解き、言葉で伝えあうことによって、地域や世代を超えた「集合的学習」ができるようになった人間は、いま莫大なエネルギーを手にし、その結果として生命に適した生物圏のサーモスタットが狂い始めている。

 果たして人間は、地球を破滅に追いやることなく次の未来へと導くことができるのか。自覚のないまま地球のパイロットになった人類に与えられた課題は重い。

(筑摩書房 2200円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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