「ウンチでわかるいきもの図鑑」アンディ・シード/文 クレア・アルモン/絵 鹿田昌美訳

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 ウンチや足跡、羽、卵などの生き物たちの「落とし物」にはその持ち主の情報が詰まっている。そんな「落とし物」を手掛かりに、さまざまな生き物たちの生態を楽しく学べるイラスト面白図鑑。

 すべての生き物は排泄をするので、その場所にどんな野生の生き物がいるのかを調べたり、実際にその動物を探し出したりする時、ウンチは強力な味方になってくれる。

 例えば、クマならウンチの中のタネや動物の毛、魚の骨などから食べたものやエサを探す場所、すむ場所、健康状態などが読み取れる。

 肉食動物は棒の形、ウシの仲間はパンケーキの形、艶のある角形の集まりならシカ、毛が混じったねじれ形ならオコジョの仲間と、哺乳類のウンチをタイプ別に紹介。

 また、家の窓の近くなどで見かける0・5~1ミリほどの小さな黒い粒はハエやクモ、屋根裏などに残されるコウモリなど、身近な場所で見つかる「落とし物」も紹介。

 さらに、ゾウは1日に70キロ以上、シロナガスクジラのそれは最長20メートル、ハイエナのが白いのはたくさんの骨を食べるから、週1回しかウンチしないナマケモノなど、ウンチに関するびっくりする「ウン」チクが満載。

 他にもさまざまな鳥や、「コプロライト」と呼ばれる化石になった恐竜のウンチなど、豊富なイラストとクイズや豆知識などで、生き物とそのウンチの関係を楽しく学べる。

 ウンチだけでなく、「足跡」や「家」、噛み痕がついた松ぼっくりなどの「食べ残し」、骨、羽、卵、そして鳥が吐き出した「ペリット」(「砂のう」ですり潰すことができなかった食べ物の残りかすの塊)などの「証拠品」を手掛かりにすれば、誰もが「生き物探偵」になれる。

 子供たちへのクリスマスプレゼントにピッタリなお薦め本。

(NHK出版 2400円+税)

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