「たそがれ御堂筋」吉村喜彦著

公開日: 更新日:

 大阪・北新地の外れにあるバー堂島は、カウンター5席の小さな店。大きな窓の向こうに川の流れが見える。

 マスターの楠木が開店準備をしていると、洋酒メーカーのマーケティング部で働く彩香が入ってきた。仕事終わりには早く、いつものはつらつさも感じられない。楠木は、そんな彼女に関西大学の女子学生が作った梅の果汁のサイダーを使ったカクテルを勧める。カクテルを口にして話し始めた彩香によると、高知の営業所への内示を受けたらしい。マーケッターとして成果を残していた彼女は、異動に納得していないようだ。話を聞いていると、続いて楠木の幼馴染みでお好み焼き屋を営む金田が来店する――。(「梅は咲いたか、梅酒はまだかいな」)

 バーを舞台にしたハートフルストーリー集。

(角川春樹事務所 600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  2. 2

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  3. 3

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  4. 4

    今なら炎上だけじゃ収まらない…星野監督は正捕手・中村武志さんを日常的にボコボコに

  5. 5

    「高市早苗総裁」爆誕なら自民党は下野の可能性も…“党総裁=首相”とはならないワケ

  1. 6

    志村けんさん急逝から5年、更地になった豪邸の記憶…いしのようことの“逢瀬の日々”

  2. 7

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  3. 8

    広陵辞退騒動だけじゃない!「監督が子供を血だらけに」…熱戦の裏で飛び交った“怪文書”

  4. 9

    広陵野球部は“廃部”へ一直線…加害生徒が被害生徒側を名誉棄損で告訴の異常事態

  5. 10

    (3)阪神チーム改革のキモは「脱岡田」にあり…前監督との“暗闘”は就任直後に始まった