「ルポ 死刑」佐藤大介著

公開日: 更新日:

 国際社会から批判を浴びながら、法務省は死刑制度を維持する姿勢を崩さず、執行を続けている。法務省は、制度を維持する理由に「国民の支持」を挙げるが、情報公開には消極的で、執行した確定死刑囚の氏名などが公表されるようになったのも2007年からだ。いまだ秘密のベールに包まれたままの確定死刑囚らの拘置所内での生活や、その心情、そして死刑の実際までを取材し、制度の是非を問うリポート。

 受刑者から選ばれ、被収容者の身の回りの雑務をこなす衛生夫が見た拘置所内での袴田巌氏の様子、確定囚78人が答えたアンケートから浮かび上がるその胸中、さらに執行後の遺族の思いや刑務官や検察官などへのインタビューなど。知られざる死刑制度の全貌とその問題点に迫る。

(幻冬舎 1034円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち