「緋の河」桜木紫乃著

公開日: 更新日:

 昭和23年の大みそか、家族とともに雪が降り始めた釧路の街を初詣に向かう秀男は、途中で出会った花街の女が放つ香りが忘れられない。女の子と間違えられるほど美しい顔をしている秀男は、近所の子らとの遊びには加わらず、いつも2歳年上の姉・章子と過ごしている。小学生になり、女のような言葉遣いや小さな体を理由に同級生から「なりかけ」と呼ばれ、いじめを受ける秀男を守ってくれたのは、同級生の文次だった。やがて秀男は文次に恋心を抱き始める。しかし、中学校入学を目前にして、文次は相撲部屋にスカウトされ東京に行ってしまう。

「神様が、仕上げを間違った」体を武器に夜の街を渡り歩き、やがて芸能界へと上り詰めるカルーセル麻紀をモデルに描く長編小説。

(新潮社 1045円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    梅宮アンナ「10日婚」短期間で"また"深い関係に…「だから騙される」父・辰夫さんが語っていた恋愛癖

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(19) 神話レベルの女性遍歴、「機関銃の弾のように女性が飛んできて抱きつかれた」

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  4. 4

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 5

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 7

    中川翔子「Switch2転売購入疑惑」を否定も火に油…過去の海賊版グッズ着用報道、ダブスタ癖もアダに

  3. 8

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 9

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 10

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る