「書いてはいけない」森永卓郎著

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「書いてはいけない」森永卓郎著

 長年メディアで仕事をするなかで著者は、「ジャニーズの性加害」「財務省のカルト的財政緊縮主義」「日本航空123便の墜落事件」の3つは、触れてはいけないタブーであることに気づいた。

 本書は、そんな現状を突破するため、知り得た事実を明らかにした告発の書だ。

 3つの話題には、①絶対的権力者が人権や人名や財産に関して深刻な侵害を行う②その事実をメディアが報道せず被害が拡大、長期化していく③そうした事態について警察も検察も見て見ぬふりをする④残酷な事態が社会に構造的に組み込まれていく--という4つの共通点がある。真実を伝えないメディアの罪を告発しつつ、ジャニーズのときと同様にメディアが動く必要性を訴える。

 さらに日本経済が転落した原因は、財務緊縮政策に加えて123便の墜落事故を機に日本が主権を失ったことにあると指摘。墜落の原因が自衛隊機からのミサイルではないかと推論できる理由を積み上げた上で、口裏を合わせてもらった米国に服従せざるを得なくなったのではないか、と著者はいう。

 膵臓がん闘病中のさなか、遺書として書いたという覚悟が伝わってくる。

(三五館シンシャ 1650円)

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