「書いてはいけない」森永卓郎著

公開日: 更新日:

「書いてはいけない」森永卓郎著

 長年メディアで仕事をするなかで著者は、「ジャニーズの性加害」「財務省のカルト的財政緊縮主義」「日本航空123便の墜落事件」の3つは、触れてはいけないタブーであることに気づいた。

 本書は、そんな現状を突破するため、知り得た事実を明らかにした告発の書だ。

 3つの話題には、①絶対的権力者が人権や人名や財産に関して深刻な侵害を行う②その事実をメディアが報道せず被害が拡大、長期化していく③そうした事態について警察も検察も見て見ぬふりをする④残酷な事態が社会に構造的に組み込まれていく--という4つの共通点がある。真実を伝えないメディアの罪を告発しつつ、ジャニーズのときと同様にメディアが動く必要性を訴える。

 さらに日本経済が転落した原因は、財務緊縮政策に加えて123便の墜落事故を機に日本が主権を失ったことにあると指摘。墜落の原因が自衛隊機からのミサイルではないかと推論できる理由を積み上げた上で、口裏を合わせてもらった米国に服従せざるを得なくなったのではないか、と著者はいう。

 膵臓がん闘病中のさなか、遺書として書いたという覚悟が伝わってくる。

(三五館シンシャ 1650円)

【連載】木曜日は夜ふかし本

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  2. 2

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 5

    広島・大瀬良は仰天「教えていいって言ってない!」…巨人・戸郷との“球種交換”まさかの顛末

  1. 6

    広島新井監督を悩ます小園海斗のジレンマ…打撃がいいから外せない。でも守るところがない

  2. 7

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  3. 8

    令和ロマンくるまは契約解除、ダウンタウンは配信開始…吉本興業の“二枚舌”に批判殺到

  4. 9

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意

  5. 10

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か