「月草糖」坂井希久子著

公開日: 更新日:

「月草糖」坂井希久子著

 桃の節句、居酒屋「ぜんや」では、毎年、手まり寿司をつくる。女将のお妙とお花が早朝から仕込みをしていると、お栄が調理場に入ってきた。

 お栄はお妙の夫・只次郎の姪で、仕えていた大奥から叔父を頼って逃げてきたのだ。叔父のように武家から町人になりたいというお栄のため只次郎は奔走。酒問屋の升川屋の女将・お志乃に気に入られたお栄は、跡取り息子との縁談が進んでいる。昼前、ぜんやを武家の女が2人、供を連れて訪ねてきた。お栄の母と祖母、つまり只次郎の義姉と実母だった。お栄に頼まれ話し合いの席に同席したお花はいたたまれない。(「白酒」)

 次々と登場するお妙の料理が人々の心を温めたり、ほぐしたり。人気時代小説「花暦 居酒屋ぜんや」シリーズ第6弾。

(角川春樹事務所 704円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    金足農・吉田大輝は「素質は兄・輝星以上」ともっぱらだが…スカウトが指摘する「気がかりな点」

  2. 2

    【夏の甲子園】初戦で「勝つ高校」「負ける高校」完全予想…今夏は好カード目白押しの大混戦

  3. 3

    中央学院戦の「1安打完封負け」は全部私の責任です。選手たちにもそう伝えました

  4. 4

    参政党・神谷代表が予算委デビューでダサダサ提案 ムキ出しの「トランプファースト」に石破首相もNO

  5. 5

    金足農(秋田)中泉監督「やってみなくちゃわからない。1試合にすべてをかけるしかない」

  1. 6

    ドンが次々に退く“昭和の芸能界”の終焉…権力集中、ムラ社会化したいびつな世界だった

  2. 7

    ドジャース大谷翔平の突き抜けた不動心 ロバーツ監督の「三振多すぎ」苦言も“完全スルー”

  3. 8

    8.31に「備蓄米販売リミット」が…進次郎農相は売れ残りにどう落とし前をつけるのか?

  4. 9

    世耕弘成氏がもたらした和歌山政界の深いミゾ…子飼いの参院議員が自民から除名、“紀州戦争”の余波続く

  5. 10

    菊池風磨率いるtimeleszにはすでに亀裂か…“容姿イジリ”が早速炎上でファンに弁明