回復には5年 慢性的「シフト勤務」が認知機能の低下を招く

公開日: 更新日:

 コンビニやディスカウントショップ、ホテルなどは24時間営業が当たり前だ。そうじゃなくても、飲食や百貨店、流通などの営業は連日、休みなし。店に品物を届ける運送業は、朝も昼も夜も関係ない。

 その営業を支えているのが医師や看護師のようにシフト勤務で働く人々だが、フランスでドキッとする研究結果が明らかになった。シフト勤務の人は、そうでない人に比べて認知機能が低下しやすいというのだ。「日曜日の予定、なんだっけ?」みたいな物忘れは変則勤務による疲労ではなく、シフト勤務のせいかもしれないのである。

 研究チームは、現役組とリタイア組を合わせた3000人を対象に、長期記憶や短期記憶、情報の処理速度などを検査。年齢は32歳、42歳、52歳、62歳のいずれかで、半数が「夜勤か朝昼晩のシフト勤務」。シフト勤務と「認知機能の低下」の関連性が強かったのは、キャリア10年以上で、そうではない同じ年齢の人より6年半も老化が進んでいた。会社に言われるがまま仕事をした結果が“軽いボケ”ではシャレにならない。

「慢性的にシフト勤務を続けると、体内時計が乱れ、一定のリズムを刻むホルモンの分泌が乱れる。そのため、集中力や判断力が落ち、一時的に認知機能が低下、物忘れのような症状が表れるのです。それを防ぐには、体内時計をなるべく安定させることが大切。どうするか? 毎朝10時までに日光を浴びること。そうすると体内時計のズレがリセットされ、ホルモンバランスが適正化されます。夜勤明けで帰宅しても暗いうちに寝床に入らず、朝日を浴びてから寝るといい」(医師の米山公啓氏)

 研究結果によると、シフト勤務から通常勤務になっても、認知機能が回復するまで少なくとも5年はかかるという。何も手を打たないでいると、そのまま認知症に……。仕事を変えようがない人は、バンバン朝日を浴び続けるしかない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  2. 2

    参政党・神谷宗幣代表が街頭演説でブチまけた激ヤバ「治安維持法」肯定論

  3. 3

    国分太一だけでない旧ジャニーズのモラル低下…乱交パーティーや大麻疑惑も葬り去られた過去

  4. 4

    ホリエモンに「Fラン」とコキ下ろされた東洋大学の現在の「実力」は…伊東市長の学歴詐称疑惑でトバッチリ

  5. 5

    外国人の「日本ブーム」は一巡と専門家 インバウンド需要に陰り…数々のデータではっきり

  1. 6

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  2. 7

    近藤真彦「ヤンチャでいたい」にギョーカイ震撼!田原俊彦をも凌駕する“リアル・ジャイアン”ハラスメント累々

  3. 8

    「モーニングショー」コメンテーター山口真由氏が5週連続欠席…気になる人間関係と体調を心配する声

  4. 9

    参院選終盤戦「下剋上」14選挙区はココだ! 自公の“指定席”で続々と落選危機…過半数維持は絶望的

  5. 10

    参政党の躍進は東京、神奈川だけにあらず? 地方では外国人規制に“地元ネタ”織り込み支持拡大狙い