著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

大腸がんの内視鏡手術 適応は悪性ポリープと上皮内がん

公開日: 更新日:

 まず切除範囲をマーキングし、次に粘膜下層に食塩水を注入して患部を浮き上がらせます。そして、マーキングに沿って電気メスで上皮を剥がすように切り取るのです。ESDのおかげで、今ではかなり大きな上皮内がんも切除できるようになりました。

 表には上皮内がんの男性患者数(2012年)と内視鏡手術件数(2014年度)をまとめました。患者の6割は結腸、残り4割がその他の部位ですが、大半は直腸です。ESDは大腸がんのみの適応となっています。したがってESDの件数は、直径が2センチを超える大きな上皮内がんの患者数を表しています。

 一方、ポリペクとEMRは良性腫瘍にも適応されるため、悪性・良性合わせた数字が公表されています。しかし表の数字から、大半が良性であることは明らかです。

 統計の年度が2年ずれていますが、大ざっぱに言って患者の合計が約2万3000人。そのうち約1万1000人がESD。したがって、ポリペク・EMRを受けた上皮内がん患者は、約41万人のうちの約1万2000人、割合にして約3%だったことが分かります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  4. 4

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  5. 5

    西武は“緩い”から強い? 相内3度目「対外試合禁止」の裏側

  1. 6

    「1食228円」に国民激怒!自民・森山幹事長が言い放った一律2万円バラマキの“トンデモ根拠”

  2. 7

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 8

    辞意固めたか、国民民主党・玉木代表…山尾志桜里vs伊藤孝恵“女の戦い”にウンザリ?

  4. 9

    STARTO社の新社長に名前があがった「元フジテレビ専務」の評判…一方で「キムタク社長」待望論も

  5. 10

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは