VIP相手でも起こりうる大病院の誤診 患者の勝訴は至難の業

公開日: 更新日:

■ヤメ検や弁護士資格の医師が法務担当

 法務省によると、患者や遺族が病院や医師を訴える件数は800件前後ある(別表)。昨年の医事関係訴訟は789件。約半分の403件は和解しているが、判決までいたったのも269件あった。そのうち、原告勝訴は17・6%しかなく、年々減少している。

 2年前に大垣市民病院の医療事故を巡って大垣市が遺族と1500万円で和解した例はあったが、これは医師の連絡ミスで胃がんを放置していたヒューマンエラーがはっきりしていたケース。がんの見逃しや執刀ミスなどの立証は難しく、患者勝訴は至難の業だ。

 もちろん、病院側も訴訟リスクに備えて万全の態勢を整えている。ある有名病院は訴訟対策としてヤメ検を引き抜いているし、弁護士資格を持った医師が法務担当の責任者を務めている病院もある。

「さらに、病院や医師個人で賠償保険に加入しています」(米山院長)

 賠償保険は、開業医向けの「日本医師会医師賠償責任保険」や医療機関向けの「日本病院会病院賠償責任保険」などがあり、医師個人で加入できる保険もある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景

  5. 5

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  3. 8

    三谷幸喜がスポーツ強豪校だった世田谷学園を選んだワケ 4年前に理系コースを新設した進学校

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋