薬の適正使用は適切な製造と流通がなければ成り立たない

公開日: 更新日:

 2017年もあとわずかとなりましたが、今年は医薬品の“安全神話”が崩壊した年といっても過言ではないと思います。

 医薬品の製造・流通において、あってはならない事件が次々に起こりました。

 たとえば、「薬の詰め替え問題」が1月に発覚しました。1本153万円のC型肝炎治療薬のボトルに、安価なビタミン剤などを詰めた偽造薬が流通し、患者さんに渡ってしまったのです。

 安全で治療効果の高い薬を開発することは、製薬会社を含めたわれわれ医療従事者の務めですが、「安全な使用」のために安定した医薬品の流通を維持することも大切な役割といえます。薬の治療効果に関する臨床試験の成績(エビデンス)の数々は、「適切な製造・流通」と「適切な使用」があった上で初めて意味を成すものなのです。

 製造に関する問題としては、「アセトアミノフェン」(AA)という解熱鎮痛薬の原薬産地偽装事件が6月に発覚しました。国内最大手のAA原薬メーカーが、安価な中国産の原薬を自社で製造した原薬に混ぜて水増しし、自社製品として出荷していたのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意