胆管がん<1>母親の慟哭に、耐えていた感情があふれ出し…

公開日: 更新日:

「ぶっちゃけた話、自分はあとどのくらい生きられるのですか?」

 明確な返答はない。ただ口をもぐもぐとさせているだけだった。

 医師に背を向けて診察室を後にした西口さんは、絶望の淵に立たされた。岸壁から真っ逆さまに落ち込んで行くような心境である。

がんは他人事だと思っていた

 息を深く吸い込み、まず母親に電話を入れた。西口さんは3人きょうだいの末っ子である。がんの告知を知らせると、嗚咽しているのか声が聞こえてこない。

 母親のあまりの慟哭に、診察室で耐えていた感情がいきなりあふれ出し、階段に座り込み涙がこぼれ出た。

 次いで妻に電話を入れた。母親に動揺を与えてしまったことに少し反省し、淡々と経過を説明した。問題は、幼稚園の卒園式に加えて、小学校の入学式が迫っていた一人娘である。

「入院をどのように伝えようか、これは自宅に帰って妻と相談しようと思いました」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”