26年ぶりの報告 「ギラン・バレー症候群」日本発の新治療法

公開日: 更新日:

 ギラン・バレー症候群の典型例は、最初に下痢や風邪(細菌やウイルス)などの先行感染がある。その病原体(抗原)を攻撃するための免疫反応(抗体)が、間違えて自分自身の運動神経を攻撃してしまうために手足のマヒを発症する。

■半年後に74%が走り回れるまでに回復

 桑原教授らが治験で行ったのは、従来の「免疫グロブリン」に、「エクリズマブ」という薬剤を加えて投与する治療法(点滴)。エクリズマブは、「発作性夜間ヘモグロビン尿症」という難病に使われている薬(日本では08年に承認)。

 血液中に存在する「補体」と呼ばれる免疫反応を補助するタンパク質の活性化を強力に抑える作用がある。

「ギラン・バレー症候群も、マウスの動物モデルの再現で、補体の活性化が大きく関係していることが推定されていました。それで、エクリズマブを加えて補体の活性化を抑制すれば神経障害の進展が抑制できて、後遺症を軽減できるのではないかと研究を計画したのです」


 治験は、ギラン・バレー症候群に罹患してから2週間以内の自力では歩けない重症患者34人を対象に行った。免疫グロブリンにエクリズマブを加えた23人と、有効成分を含まない製剤(プラセボ)を加えた11人を、週1回の投与で6カ月間の経過を比較した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々