著者のコラム一覧
平山瑞穂小説家

1968年、東京生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年「ラス・マンチャス通信」で日本ファンタジーノベル大賞を受賞。糖尿病体験に基づく小説では「シュガーな俺」(06年)がある。

糖尿病と告げたら医師は「それだと手術が厄介になる」と

公開日: 更新日:

 糖尿病でインスリンを打っていることが、ほかの何かに思わぬ影響を及ぼす場合がある。

 僕の左手首には、ずっと前からコブのような突起があった。ガングリオンと呼ばれる良性の腫瘍で、関節から出るゼリー状の粘液が内部にたまる原因不明の病変である。

 良性とはいえ見苦しいので、定期的に太い注射針で中身を吸い出してもらっていたのだが、何度やってもすぐに再発してしまう。医者の話だと、かなり大きくなっているので、いずれは神経を圧迫して手に障害が出る恐れもあるという。この際、粘液の通り道になっている皮膜を根元まで取り除いたほうがいいという話になった。

 神経が集まっている部位での細かい作業になるため、できれば全身麻酔をかけさせてほしいと医者は言った。なまじ意識があると、手術中に腕が動いてしまったりして危険だというのだ。

 そういうことならと了承したのだが、入院するに当たって、1型糖尿病患者であることを初めて告げたら、医者は「それだと話が厄介になりますよ」と言い出した。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?

  4. 4

    上白石萌音・萌歌姉妹が鹿児島から上京して高校受験した実践学園の偏差値 大学はそれぞれ別へ

  5. 5

    “名門小学校”から渋幕に進んだ秀才・田中圭が東大受験をしなかったワケ 教育熱心な母の影響

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  3. 8

    星野源「ガッキーとの夜の幸せタイム」告白で注目される“デマ騒動”&体調不良説との「因果関係」

  4. 9

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも