運動は認知症の予防や改善に役立つか? 専門家に聞いた

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「認知機能が低下した人は同時に2つ以上のことをするのが難しくなります。実際、歩いているときにおしゃべりすると転びやすい、という報告があります。認知症を検知したり改善したりするため同時に2つ以上のことをする訓練のひとつとして運動は良いのかもしれません。しかし、運動だけでOKというわけではないと思います」

 そもそも、認知機能テストで一定の点数を取れば正常と認定されるが、正常とされる脳にもさまざまなバリエーションがある。時間感覚、記憶、空間認識、図形認識に問題がある場合がある。

 その意味でも「運動だけしていれば認知症対策が十分」というわけではない。

■筋肉の収縮で分泌される物質との関係

 最近の研究よると、筋肉の収縮により分泌される「マイオカイン」などと呼ばれる物質が脳に運ばれて、神経細胞そのものを制御したり、免疫担当細胞の働きを変えたりする可能性が取り沙汰されている。

「筋肉由来の物質が、異常なタウやAβの排除に関わるミクログリアやアストロサイトといったグリア細胞を活発化するのでは、と注目されています。さらにはこうした物質が、正常な神経細胞までも攻撃するタチの悪いミクログリアを、正常に戻す働きがあるかもしれないという仮説もあります。しかし、いずれも研究途中であり、どの部位をどの程度動かせばどのような効果が得られるか、明確な結論は出ていません」

 運動は認知症に良い影響を与える可能性は高いが、認知症が気になる世代にとって運動はリスクになる場合も。現時点ではその効果を過信せず、散歩程度にとどめておく方がいいかもしれない。

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