著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

コーヒーは年齢によってマイナス作用が強く表れるケースも

公開日: 更新日:

 コーヒーの過剰摂取が心臓に悪影響を与える大きな要因はカフェインです。カフェインは体内でコルチゾールというホルモンの分泌を増加させる働きがあり、コルチゾールは血圧を上昇させたり、心拍数を増やす作用があります。そのため、心臓に過剰に負担をかけたり、不整脈を起こしやすくなるのです。

 一方で、コーヒーはポリフェノール系食品として抗炎症化合物や抗酸化物質が多く含まれています。適度な量のコーヒーが心血管疾患のリスクを減らすのはそうした生理活性物質の作用であると考えられます。つまり、コーヒーには心臓にとってプラスとマイナス、両方の影響を与える成分が含まれているということで、過剰摂取するとマイナスの影響が出やすくなってしまうのです。

注意したいのは、過剰といえるほどの量を摂取していなくても、マイナスの作用が強く出てしまうケースがあることです。たとえば、試験勉強をする際、前日の夜にコーヒーをたくさん飲んで目を覚まし、徹夜して試験に臨もうとしたところ、当日はトイレが近くて試験どころではなかった……という人がいます。カフェインの覚醒作用を利用したまではよかったのですが、翌日になって利尿作用がマイナスに働いてしまったわけです。カフェインの作用は、環境や体調によってマイナス面が強く出てしまう場合があるうえ、時間がずれて表れるケースもあるのです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?