著者のコラム一覧
坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

「適度な運動を行うようにしてください」と言わない理由

公開日: 更新日:

 そういった経験もあり、私は「運動する」という言葉ではなく、「少しでも動くことを増やす」という言葉の方が、患者さんにはまだ響きやすいのではないかと考えています。 

健康寿命を保つために

 現代人は圧倒的に座っている時間が長い。血糖値の高い患者さんでは、夕食後に数値が上昇しやすいのですが、「夕食後にソファに寝転がって、リモコンで面白いテレビ番組を探している」という方なら、「ソファに座ってテレビを見ましょうよ」と提案する。

 もしそれができるなら、「ソファに座る」よりは「食べた食器を流しへ運ぶ」方がいいですし、さらには「台所で食器を洗う」「洗った食器を拭いて食器棚に片付ける」などの方がいい。「食後の散歩」となると腰が重くなり「あすからでいいか」となりがちな人も、座ってテレビを見たり食器を片付けるくらいなら、やってみようかと思いませんか?

「動くことを増やす」ことを意識して欲しいのは、目の前にある肥満解消、生活習慣病改善だけが目的ではなく、健康寿命を保つため。フレイルやサルコペニアという言葉をご存じでしょうか? フレイルは日本語訳では「虚弱」で、加齢で心身が老い衰えた状態。サルコペニアは加齢などで筋肉量が減少し、全身の筋力低下および身体機能の低下が起こること。いずれも寝たきりになりやすく、健康寿命を短くします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    米倉涼子“自宅ガサ入れ”報道の波紋と今後…直後にヨーロッパに渡航、帰国後はイベントを次々キャンセル

  2. 2

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  3. 3

    彬子さま三笠宮家“新当主”で…麻生太郎氏が気を揉む実妹・信子さま「母娘の断絶」と「女性宮家問題」

  4. 4

    アッと驚く自公「連立解消」…突っぱねた高市自民も離脱する斉藤公明も勝算なしの結末

  5. 5

    ヤクルト池山新監督の「意外な評判」 二軍を率いて最下位、その手腕を不安視する声が少なくないが…

  1. 6

    新型コロナワクチン接種後の健康被害の真実を探るドキュメンタリー映画「ヒポクラテスの盲点」を製作した大西隼監督に聞いた

  2. 7

    違法薬物で逮捕された元NHKアナ塚本堅一さんは、依存症予防教育アドバイザーとして再出発していた

  3. 8

    大麻所持の清水尋也、保釈後も広がる波紋…水面下で進む"芋づる式逮捕"に芸能界は戦々恐々

  4. 9

    “行間”を深読みできない人が急増中…「無言の帰宅」の意味、なぜ分からないのか

  5. 10

    万博協会も大阪府も元請けも「詐欺師」…パビリオン工事費未払い被害者が実名告発