「子供の肥満」親の対策は? 脂肪肝や高尿酸値の子供もいる

公開日: 更新日:

肥満症の子供に腹部エコーを行った経験では、脂肪肝は珍しくありません。これは、成人の深刻な脂肪肝である非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と同様の病気ですが、成人と肝臓の組織の特徴は異なります」

 脂肪肝には、アルコールが主な原因のものと、肥満が原因のNAFLDがある。成人では、NAFLDは、アルコール性脂肪肝よりも肝炎、肝硬変、肝臓がんへと進むスピードが速いといわれているが、子供の脂肪肝は小児期には肝炎、肝硬変、肝臓がんと進んでいかない。

■できる方法を探すこと

 しかし、子供の肥満症と肥満を放置していいかというと、そうではない。

「頚動脈エコーで動脈硬化の子供を私は見たことがありませんが、睡眠時無呼吸症候群や高尿酸値、糖尿病、高血圧の子供はいます。身体的問題がない肥満であっても、それが改善されない場合、肥満になる生活環境や味覚が固定化されてしまい、成人以降も肥満で、結果的に生活習慣病のリスクが高くなります」

 研究で、はっきり証明されているわけではないものの、生活習慣病の発症年齢が20~30代と前倒しになる可能性もある。また、糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害といった3大合併症のほか、認知症胃がん大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、腎臓がんなど、がんのリスクを上げることが研究で明らかになっている。子供の肥満が若い年代での糖尿病発症を招き、それががん発症へとつながっていくかもしれない。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?