抗インフル薬「アビガン」は新型コロナに本当に有効なのか

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「今回の新型コロナウイルスのように患者が大勢発生することが予見される病気であるからこそ、きちんとランダム化比較試験をして薬の有効性や副作用を調べるべきなのです。そうでないと患者に投与して回復したとしても、薬の力で治っているのか、それとも患者自身の自然治癒力で回復したのかがわかりません。しかも、致死率が高い状況では副作用が出ても、それが副作用だとわからないまま患者が亡くなり、副作用の検討が不可能になります。将来に禍根を残すやり方です」

 “もし、自分がくじ引きにはずれたら”とランダム化比較試験に参加する患者がおらず、試験が成立しないのではないか、と思うかもしれない。しかし、過去の経験からこうした重要な病気だからこそ、その意義を感じて参加する患者は大勢いるし、試験に参加せず、希望に応じて薬の投与を受ける・受けないという選択肢があることをきちんと提示すればよいという。

「仮にランダム化比較試験に参加して偽薬の群に入ったとしても、新薬の副作用のリスクはなく、結果的に良いこともありますからね。また、新型コロナウイルスによる新型肺炎は慢性疾患ではないので、数週間で一定の結果を得ることができます。ですから、試験が終わった後にその結果を受けて、続く患者が有効性が判明した薬で治療することもできるかもしれません。にもかかわらず、ランダム化比較試験を行わないのは不思議でなりません」

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