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水井睦みずい整形外科院長

みずい整形外科院長。日本整形外科学会認定専門医、同会認定脊椎脊髄病医、同会認定リウマチ医、日本体育協会認定スポーツドクター。1995年北里大学医学部卒業。横浜市立大学医学部整形外科入局。大学病院、国立病院などを経て、2005年から東京・祐天寺にて開院。

草野球で顔面にボール当たり眼窩底骨折…どのようなケガ?

公開日: 更新日:

 友人が草野球で顔面に軟式ボールが当たり、眼窩(がんか)底骨折と診断されました。どのようなケガですか? (30代男性)

 ◇  ◇  ◇

 目を強打したときにみられる特殊な顔面骨折を言います。目を動かすと、痛みが出たり、物が二重に見えたり、目を上げられなくなったり、血の混じった鼻水が出たり、頬の皮膚感覚が鈍くなったり、目がくぼんだり、吐き気がしたりなどの症状が出ます。

 眼球が入っている骨のくぼみを眼窩と言います。その入り口は頑丈な骨でできていますが、その奥にある眼窩の下壁の眼窩底は薄い骨でできています。そのため、ボールが当たるなど強い衝撃を受けても目の周りの骨は持ちこたえられますが、眼窩底は骨折してしまうことがあるのです。これが眼窩底骨折です。眼窩底の周辺には眼球の動きを担う重要な神経や筋肉、血管などが走っているため、それらが障害されることで、さまざまな症状が出るというわけです。

 バドミントンの男子世界チャンピオンで東京五輪で金メダルが期待されている桃田賢斗選手がマレーシアでの交通事故で受傷したことでこの病気を知った人も多いと思います。桃田選手は交通事故後の練習で「高い打球を見上げた時、シャトルが二重に見え、違和感があった」と話されていたそうです。恐らくは、日常生活での眼球の動きでは特に痛みや違和感はなかったものの、練習で高速のシャトルを追うときに症状が出る程度の軽症の眼窩底骨折だろうと推測されます。

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