著者のコラム一覧
関由佳医師・料理家

専門は内科、予防医学。2013年ニューヨークの料理専門学校(Natural Gourmet Institute)で資格取得。著書に「毎日食べたい!腸活みそレシピ」ほか

新玉ねぎには抗酸化作用、アンチエイジング、血流改善に有効な「アリシン」たっぷり

公開日: 更新日:

 世界の大都市でも徐々にロックダウンが解除され、日常の生活も元に戻りつつあるようです。

 しかし、今回の新型コロナウイルス禍による日常生活の変化により、これまで私たちにとって「当たり前だったこと」が、決してそうではないということが明らかになりました。毎日、買い物に行かなくても実は十分暮らしていけるということや、働き方も実はリモートでできることがたくさんあることなど、多くのことを学びました。

 また、情報も本当に自分に必要なものもあれば、事実とは異なる、ただ恐れを助長するだけの情報があることも知りました。さまざまな場面で自分に必要なものと、そうでないものの整理ができたのではないかと思います。

 これを契機に、これまでの「当たり前だったこと」「当たり前だったもの」を見つめ直し、ときにはそれを手放して、新しい環境に適応していかなければならないのではないでしょうか。快適に生きていくために、その能力が求められるのではないかと思います。

 私も、当たり前だと思っていた忙しい都会での生活を手放し、淡路島での暮らしをスタートさせました。思い切って新しい世界に飛び込んでみると、そこには思った以上に心身を健全にし、豊かにする生活がありました。都会の生活が恋しくなるかと思いきや、もう極力、島を出たくないと感じるほど、この島が大好きになりました。島で出会う人々も、無農薬のこだわり野菜を作っていたり、藍染めの工房をしていたり、オーガニック食材のカフェや食品店を運営していたりと、ユニークな生き方をしている人が数多くいます。

 そんな中、私もこの環境を生かした、自然治癒力を高めるようなクリニックを開設していきたいという気持ちが生まれてきました。いつの実現になるかはわかりませんが、その過程を楽しみつつ、一歩ずつ進んでいきたいと思っています。

 今回のレシピは「番外編」です。

 みそと同じ発酵食品ですが、淡路島の特産品で今の季節限定の新玉ねぎで作る「カンタン玉ねぎ麹」を使ったクリーミースープです。

 生の玉ねぎには「アリイン」という硫化アリルが含まれていて、玉ねぎを切ったりすりおろしたりして細胞が破壊されると、酵素の働きによってアリインからアリシンが生成されます。このアリシンには殺菌作用と抗酸化作用があり、食中毒や風邪予防、アンチエイジング作用が期待できます。さらに、アリシンには血流を改善する効果があり、血栓ができるのを予防してくれます。

新玉ねぎのクリーミースープ

《材料》(2人分)
 新玉ねぎ 小1個
 水 200ミリリットル
 豆乳 100ミリリットル
 玉ねぎ麹 大さじ3
 コショウ 少々
 ヘンプナッツ(麻の実) 少々
 オリーブオイル 少々

《作り方》
(1)小鍋に、薄くスライスした玉ねぎと水を加え、沸騰して玉ねぎが軟らかくなるまで加熱する。
(2)ミキサーに①、豆乳、玉ねぎ麹を加えて滑らかになるまで混ぜて出来上がり。
(3)トッピングにお好みでコショウやヘンプナッツやオリーブオイルを。

■カンタン玉ねぎ麹の作り方

 新玉ねぎ 400グラム
 乾燥麹 100グラム
 塩 20グラム

 新玉ねぎをすりおろし、保存容器に玉ねぎと麹、塩を入れてよくかき混ぜる。常温で一晩おき、麹が水分を吸って軟らかくなったら出来上がり。そのまま冷蔵庫でゆっくり発酵熟成させてもおいしいです。保存は冷蔵庫で2週間程度。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々