著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

リハビリや体操で硬くなった関節包を外側から引き伸ばす

公開日: 更新日:

 この問題を克服するため、手術は関節鏡と呼ばれる内視鏡を用いて行います。1センチほどのキズを肩の前後に2~3カ所つくり、そのキズ孔から医師の目の代わりとなる内視鏡を、別の孔からハサミなどの道具を挿入して行います。

 局所麻酔では深部まで届かないので全身麻酔を用います。通常1~3日程度の入院で行いますが、出血もわずかで30分程度で済むだけでなく、長い間苦労しても動かなかった肩が手術終了直後にはまっすぐ天井に向かって伸びるくらいにまで回復しています。表面のキズ孔自体はひと針ほど縫いますが、その保護は絆創膏を貼る程度で十分です。手術翌日にはシャワーも可能で、約1週後の抜糸後には肩まで湯船につかれます。

 内容にもよりますが、家事や仕事復帰は体調次第で退院したその日から許可しています。また早期からリハビリを再開し、広がった肩が再度硬くならないようにします。

 この手術を関節鏡下関節授動術といいます。次回は凍結肩に対する非観血的関節授動術について紹介します。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々